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産地を訪れる ─ イ草

2015年 - 熊本、福岡のイ草農家さん、加工職人さん、問屋さん

日本固有の床材、畳。全国的に刻々と需要は減っている。しかも、その少ない需要の8割は中国産が占めているらしい。一様に国産が良くて中国産が悪いというわけではない。ものによるのだ。

例えばイ草の質。気候風土に合った地域で丁寧に管理されて育てられたものは強くしなやかで質が揃っている。使い込むほどに飴色の美くしいつやが出る。

品種、品質、等級、織加工... 同じ産地でも比べると違いがある。長く使うと如実に違う。良質な素材で丹念に加工された畳表は粘り強さと弾力性がある。

違いを知る機会のない私たちは、安易にものを選ぶ。若しくは選ぶことすらない。知らないから。わからないから。安に高いものがいいわけでもない。良材と並材を使い分けることが需要を広げ、生産の継続につながる。わずかな差や違いも本物に携わっている人にはよくわかる。プロの目利きには、適材適所それを薦める理由がしっかりある。

表材のイ草に対して中の芯材を床(とこ)という。古来から使われている藁床を本床(ほんどこ)ともいう。大掃除で畳を上げてたたく習慣が無くなり、スタイロフォームの芯材が開発され、機能性を手に入れた代わりに畳本来の良さを味わうことはできなくなった。腕利きの職人さんの活躍の場がなくなっていく。技を伝える機会が減っていく。

時代は移るし技術は進歩する。それは悪いことではない。でも、経済性、利便性以外にも大切なことはある。本当の良さを作り出せる状況と、廃棄・循環まで考えた選択を、これからはしていきたいと思う。

熊本、福岡のイ草農家
熊本、福岡のイ草農家
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加工職人さん
問屋さん