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FAQ

よくある質問 UTSUWA プロジェクト

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プロジェクトの概要

UTSUWAプロジェクトは、職人や工房、産地、デザイナーや建築家が協働し、環境にやさしい素材と手仕事の技術を集約した組立式の和室— UTSUWA —を創造し、日本国内外に提案・発信する事業です。

2015年に発足して以来、展示やワークショップを開催してきました。職人さんを主体とした6人の異業種メンバーが、器(組み立て式の和室)を共同製作し、隠れた手仕事の技術と環境にやさしい素材を様々なアレンジで発表してきました。日本での器プロジェクト

ものづくりの技術の継続と発展です。天然由来の素材生産と手仕事の技術は、いったん途絶えると、ふたたび手に入れるのは難しくなります。途絶えることなく、暮らしと文化の中に在りつづけられるものづくりを創出します。

2015年に日本で発足した「器プロジェクト」は海を越えて、2020年からドイツの職人さんやデザイナーと共同し「UTSUWA Project」へと発展しました。その後もUTSUWA2.0、UTSUWA3.0の開発や発表を経てより広い視点でこの活動に取り組んでいます。今後もメンバーと共に、広く世界に向けて手仕事の価値と現代に合う新しい空間を提案していきたいと思います。

まずはEUで、日本の本物に関心をもつ層に発信・提案していきます。EUで高まっている和の本物志向へ新しいデザインの和室─UTSUWA─を発信し、素材の違いや豊富なバリエーションを紹介します。

日本のものづくりを体感できるちょうどいい単位の空間だからです。和室は、天井、床、柱、建具など作り方次第で組立・分解・移動できます。パーツは取り替えたり足したりできるうえ、可変性にも優れています。和室─UTSUWA─がもつポテンシャルを新しいデザインで進化させていきます。

天然素材と手仕事の市場を広げることです。EUでの実績と評価をもとに、日本での手仕事の再評価や需要拡大、後継者の増加にも寄与することを目指しています。そのためにまずはプロトタイプの開発や提案プロモーションをしています。

UTSUWAは、人を入れる一つの器(空間)という意味で名付けました。この新しい和室(?)空間を通して手仕事の良さを感じてもらいたいです。日本でスタートさせた「器プロジェクト」は、2020年から海外にも展開しため最近は英語で「UTSUWA Project」とも表記しています。

プロジェクトの内容

今後のUTSUWAの製作発表はいつごろですか?

2015年にUTSUWA1.0を、2020年にUTSUWA2.0を、2023年にUTSUWA3.0を製作発表してきました。現在は今後の展開を検討中です。進展があれば順次お知らせします☆

UTSUWA3.0 製作発表
UTSUWAプロジェクトで和室は販売をしていますか?

このプロジェクトは単なる生産・販売が目的ではありません。量産や価格競争とは違うフィールドで手仕事のモノづくりが評価されることを目指しています。将来的は和室に限らず手仕事に関す提案を幅広くしていくかもしれません☆

誰が和室を製作しますか?

例えばUTSUWA1.0は日本の器メンバーが、UTSUWA2.0はドイツのメンバーが、UTSUWA3.0は日独のメンバーが協働制作しました。今後も状況に応じて多国籍の職人さんやデザイナーメンバーが製作に携わります。

なぜドイツメンバーと協働しているのですか?

日本とドイツは共に世界から認められる手仕事の技術があります。互いにリスペクトし合う日独の職人さん達との協業は、双方のものづくりに新たな可能性を生むと期待しています。

どんな素材を使いますか?

例えば木、紙、硝子、草などを中心に、昔から使われてきた材料、特に天然由来素材を使うのが手仕事にフィットすると思います。プロジェクトごとに要望や状況に応じておおらかに検討して決めていきます。

どこの素材を使いますか?

なるべく製作する国や地域の素材を使うのがいいと思います。しかし例えばEU内での製作においては、必要に応じて和紙や畳など日本から取り寄せる材料もあるかもしれません。

メンバーや参加業種は決まっていますか?

現在日本とドイツに木工、表具、ガラス、内装など、複数の手工業、デザイナーや建築家などのメンバーがいます。実行委員会のメンバーには学識者やマーケティングメンバーもいます。今後もネットワークは広がっていくかもしれません。

プロジェクトメンバーは常にいっしょに働くのですか?

いいえ。事業内容に応じてプロジェクトごとにユニットを結成します。プロジェクトへのかかわり方は個々の状況により違います。緩やかに協働できるものUTSUWAのいいところだと思います。

プロジェクトに参加するメリットは何ですか?

技術を発揮できる機会が広がります。異国や異業種との共同製作は、今までと異なる発想を生み新たな発見があります。また、相互発信により新しいマーケットへのアプローチも可能です。

私もプロジェクトに参加することができますか?

はいできます。参加の形態は複数あります。製作メンバーとして、共同企画者として、後援・応援者として等々。UTSUWA プロジェクトに共感する人は実行委員会の承認を得てプロジェクトメンバーとして参加することも可能です。

作り手として参加するなら何か資格は必要ですか?

ものづくりへの情熱と技術力です。チームワークも不可欠です。UTSUWA プロジェクトのコンセプトと意義に共感して、メンバーがお互いを尊重しあうチームを目指します。マイスターの称号は必ずしも必要ではありません。

製作費はいくらかかりますか?

通常、ひとつのUTSUWA製作には数百万円かかります。企画、デザイン、設置までを一貫してプロデュースすることも可能です。新たなUTSUWAの開発をする場合は補助金やスポンサー等協力を得るケースもあります。

器プロジェクト

プロジェクトをはじめたMorizo-について

建築設計室Morizo-は何をしている事務所ですか?

建築設計をしています。日本では小規模建築の場合、意匠設計と合わせて構造設計や設備設計もします。1996年に大阪で開業し、2019年にBerlinにもデスクを持ちました。

何を設計していますか?

主に住宅を設計しています。店舗やオフィス、家具、外構や庭のデザイン、インテリア、木造の耐震診断補強設計もします。いずれにしても使い手となるエンドユーザーさんと直接契約の仕事がメインです。

器プロジェクトをはじめた背景は何ですか?

きっかけは腕のよい職人さんと素材生産者さんの減少です。20年以上設計の仕事を続ける中で両者の減少が加速していると感じていました。このままだと国宝級のものづくりか、量産化工法かの極端な二択になってしまうのではと危惧していました。作り手の職人さんたちとデザイナーの設計者との協働プロジェクトによりまず顔が見えるものづくり発信をしようと考えました。

なぜドイツにもデスクがあるのですか?

2018年から2年ほどberlinに滞在したのがきっかけです。当時のネットワークや、プロジェクトのご縁で今もドイツを往来しています。木や職人さん好きが高じて滞在当初からドイツの木の文化やマイスター制度にも興味があり、今なおその興味は深まっています。

マイスター制度はどのようなものですか?

歴史あるマイスター制度は時代と共に変化していることを知りました。業種により違いはあるかもしれませんが、素晴らしいシステムで見習うべき部分がたくさんあります。一方で、時代的な課題点も見えてきました。とても興味深い制度です

ドイツのマイスター制度に何を感じますか?

技術習得の教育システムと称号の社会的評価には日本との違いを感じます。マイスターやゲゼレの国家資格を取得した時点で仕事に必要な知識と技術が期待されるある意味厳しいシステムです。故にその称号は広く認知され高い評価を得られます。

ドイツの手工業の現状について教えてください。

作り手が不足しているようです。特に建築の需要が多い都市部では慢性的に人手不足です。外国の働き手が増えていますから、ドイツ品質を維持するために、機械化がさらに進むのではと思っています。今後、手仕事の活躍の場がさらに減っていく状況は日本と似ています。後継者問題を抱える工房が多い実態も目にしました。

今後の手工業はどのようになっていくと思いますか?

日独共に職人志望者が減っているという話をよく聞きます。工業化が進み手仕事のマーケットは長年縮小しています。一方で別のマーケットが育ちつつあることも感じます。環境に配慮したものづくりや天然素材製品や長く使えるものを評価する若い層です。今後は国を問わず小さな手工業メーカーも高付加価値のものづくりや独自発信が不可欠だと感じます。